振り込み手数料はどっちが負担する? -困ったときの3ステップ-

営業

先輩!契約が取れそうです!

さすがだね!契約書はもうできた?

契約書はまだなんです。

振り込み手数料を支払ってほしいと言われてしまっていて、契約書を締結できていません。

振り込み手数料には基本的なお作法があるよ。

一緒に確認していこう。

今回記事のターゲット
  • 振り込み手数料の支払いで戸惑っている新人営業
  • 振り込み手数料の処理方法がわからない経理担当

そもそも振り込み手数料とは?

振り込み手数料とは、自分(または自社)のお金を他者(または他社)に送るときに発生する費用のことです。

銀行のシステムを使う利用料である、という理解で良いでしょう。

振り込み手数料の相場は?

銀行にもよりますが、50円~1000円であることが一般的です。

また、送金先の口座が、自分の会社の銀行と同じ銀行だと振り込み手数料はゼロ円になることがあります。

最近はネットバンクの登場によって手数料は格段に安くなりましたが、昔からある銀行の手数料は高いままであることが多いです。

振り込みミスをすると、その都度、手数料を取られる

振り込みには送金先の口座情報が必要です。

口座情報を1文字でも間違えて登録してしまうと、振り込みは完了しません。

振り込み完了しなかった際にも、銀行は「1回振り込み業務を行った」とカウントし、振り込み手数料が発生します。口座情報は正確に扱いましょう。

※振り込みミスによる手数料を請求しない会社もあります。

振り込み手数料の基本ルール。民法を参考にしよう

振り込み手数料は、原則、お金を支払う側が負担します

民法を参照します。

 (弁済の費用)
民法第485条  弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とする。

「 弁済の費用 」が振り込み手数料にあたります。

振り込み手数料について話し合っていないときは、勝手にどちらかの負担にしてよいの?

SESにおいてよくあることですが、契約時に振り込み手数料についての話をせず、支払う際に手数料が勝手に引かれていることがあります。

これは民法に照らして考えるとNGです。

「別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。」という記載がその根拠になります。

SES営業で振り込み手数料の負担をお願いされたときはどうする?

SESにおける振り込み手数料調整の3ステップ

振り込み手数料の負担をお願いされたときは、以下の順で考えます。

  1. 「基本ルール」に照らして考える
  2. 手数料の支払い商流について考える
  3. 手数料分の利益が出ているかを考える

1,「基本ルール」に照らして考える

基本ルールは「お金を支払う人が負担する」です。

なので、SES業界でいうと、「上位の会社が負担する」という話になります。

2,手数料の支払い商流について考える

もしあなたの会社が商流において下位であり、振り込み手数料の負担を求められた場合は、あなたの下位の会社にも振込手数料の負担をお願いしましょう。

3,手数料分の利益が出ているかを考える

もしあなたの会社が、商流において、最下位の場合は、その契約によって手数料を差し引いても目標利益が確保できるかどうかを考えます。

目標利益を確保できない場合は、その契約を行わない方が良いかもしれません

手数料を負担する代わりに、通常の契約金額に手数料分を上乗せしてしまうという解決方法もあるよ。

大手企業が上位になり、手数料を下位の会社が負担しないと契約がどうしても取れないことがあるんだ。

会社の制度をかえるよりも、制度に合わせて契約を変えてあげよう。

プロパーが余っていて、プロパー分の人件費を少しでも回収したいときもあるよ。

その場合は手数料を負担したり、少しの損をしてでも契約してしまったほうが良いかもしれないね。

振り込み手数料の記載はSES契約書のどこに書く?

振り込み手数料については、契約書よりも注文書に記載することが多いす。

もちろん契約書に記載をしても良いですが、原則として、「 お金を支払う人が負担する 」というルールがあるので、注文書や個別契約書に記載することが多くなります。

まとめ -SESにおける振り込み手数料-

振り込み手数料に関するまとめ
  • 基本的には「お金を支払う人」が負担する。
  • 明記していないからといって、勝手に下位会社の負担にするのはNG
  • 上位会社から振り込み手数料の負担を求められた場合は、3つの順に照らして考える

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