こんにちは!今回もゲスト寄稿です。
前回M&Aについて記載させていただきましたが、今回はM&Aを実施したあとの話を書きます。
購入された会社のメンバーに起きること
M&A実施後、半年から1年程度かけて、会社は変化していきます。M&Aをされた会社のメンバーからよく聞く変化をご紹介していきますね。
仕事がしやすくなる
M&Aをされる側は、通常の場合、もとの会社よりも大きな会社似買収されることになります。
これによって大きな会社の名前を使えるようになるので、営業をするにも仕事を獲得する難易度が下がります。
文化が変わる
まず購入されると基本的には会社文化が変わります。
シナジーを求めている会社であればなおさらですが、既存メンバーとの協働を求められます。そういった意味でも会社の文化を意図的に変えていく必要があります。
ただし、通常のM&Aでは、会社文化がマッチするかどうかも踏まえて実施されます。真逆の文化同士を組み合わせても、買収後うまく行かないのは明白です。なので似た文化の会社をM&Aすることが多いです。
文化が変わることによって何が変わるかというと、働き方やサービス設計の方針などが変わります。もっと表面的なところだと、これまでは上司を役職名で読んでいたところが、”さん”付で呼ぶようになったりします。
給与の変動がある
給与水準が買収した会社に合わせられます。
これは給与が上がる場合も下がる場合もあります。実際の給与変動は、M&A実施後、半年から1年かけて行うことが多いようです。
このタイミングでは、給与がこなしている仕事内容やスキルとリンクすることになるので、不自然に給与が高かったり低かったりする人が給与是正されると言う認識程度で問題ありません。
また、福利厚生がM&Aする会社側似揃えられることがあります。住宅手当などがついている会社に買われるのであれば、実質給与が増えていることと同じですよね。逆にこれまで充実していた福利厚生がなくなることもあります。
上司が変わる
組織図上の上司が変わります。もちろんM&Aをした企業の上司がつくこともありますし、すでにいる他メンバーが上司になることもあります。
会社が淡ると上司の役割も変化します。この役割に対応できない上司は別の上司に入れ替えられます。とくに、部門間の連携が必要な会社であるほど、この入れ替えは発生します。
特に経営層は入れ替わります。経営層が入れ替わることによって、”経営者に捨てられた”と思う人がいますが、それは間違いです。上場企業ならまだしも、通常の会社であれば、敵対的買収というのはなく、お互いの会社の経営層がより良い会社を作るためにM&Aを実施しています。
退職者が出る
上記の変化が起きることで退職者がでます。
これまで書いてきた変化が起きる過程で、他の人の給与が見えてしまったり、優秀な人が退職するかのような噂が広まります。
この噂などを聞いていくうちに、「もっと良い会社があるのではないか」、「今の会社ではあまり(給与的にも)評価されていなかったのかな」、「今後の会社では評価されないだろうな」といった想いが強くなり退職してしまう人が増えます。
特にSES企業の場合は、エンジニアは帰属意識が薄いのでより退職しやすく、営業は自身で会社を作ることができてしまうと気づいて退職していくことが多いように思います。また、これまで給与が高すぎた人も退職していくので、会社にとっては良い退職というものも存在します。
この退職は連鎖するもので、気づけば元いたメンバーの半分もいないということが比較的よくあります。
購入者は注意!購入時の価値がなくなる可能性がある
購入する側は、会社は変化するものであると言うことを認識しておかなくてはいけません。
購入先の会社の強みを残した状態で、自社に吸収することは案外難しいものです。
特に従業員の退職によるダメージはとても大きいです。M&A検討段階で、キーマンの確保をしたり、契約内容にキーマンについての言及を追記したほうがよいでしょう。
購入した会社の価値をなくさないためにも、購入後のことを考えて交渉を進めることが重要です。
購入前の価値をなくさないようにしよう
M&Aする側もされる側も、購入前の価値をなくさないようにしましょう。
最近は敵対的買収と言う話はあまり聞きません。基本的には友好的買収になると思います。友好的買収では、お互いの会社経営層が、”M&Aすることでより良い会社が作れる”と思ってM&Aを実施します。
「良い会社」を作るためにも、検討段階の”良い影響”を壊さずにM&Aをうまく活用してください。M&Aに巻き込まれたメンバークラスの方も、より良くなる機会だと思って好意的に捉えて欲しいものです。