SESのKPI管理と分析手順②

ノウハウ

昨日の続きです。

前回は「それぞれのKPIに個別に向き合って、それぞれの打ち手を考える」ことが重要であると書きました。

今回はそれぞれのKPIに対して、どのような改善方法があるか考えます。

内定承諾数

「内定承諾数」は「クライアントからもらったオファーのうち、カスタマー(要員)がオファーを承諾した数」です。

この数字は営業成績である「稼働数」と等しくなります。

この数字の目標数を決める際は、1稼働あたりの平均単価から割り出してください。

承諾において重要なことはいかに要員の求めている案件にできるか、ということです。

そのときに必要なことは・・・

  • 要員へのキャリアプラン提供
  • 要員の本音を引き出す(将来なりたき姿を引き出す)
  • オファー条件の交渉
  • 要員自身に最後は決定させる

SES営業は人材事業なので、その人のキャリアについて真剣に向き合う必要があります。稀にですが、要員をモノの様に扱う営業がいますが、そう行った営業は要員だけではなく、クライアント企業からの信頼を得ることができません。クライアント企業の採用担当もプロなので、そういった姿勢はすぐにバレてしまいます。

要員のグリップをするために、無理やり好条件の様に見せかけても、早期退場をしてしまうので、人材事業に関わる営業マンとして、情報操作はやめるべきです。

内定数

「内定数」は「クライアント企業からオファーをもらった数」です。

ここでの重要なことは「クライアント企業が、その要員をほしい状態にすること」なので・・・

  • 面談前に、クライアント企業にとって本当に必要な人材とはなにかを明確にする。(実際の業務や現場社員のスキルを考慮して、必要な人物像を名確認する)
  • 競合要員が現れることを考慮して、要員の条件(金額など)を下げる交渉条件をクライアントに明確にする。
  • 競合要員が出てこないことを考慮して、採用しなかった場合のリスクを明確にする。
  • 要員が面接で、自身の強み(案件に対して活躍できる点)を伝えられる状態にする。

等があります。

要員によっては、事前にオファー承諾条件を決めていなかったり、あえて教えてない人がいます。

ですが、企業からオファー条件が出る前に、しっかりとヒアリングし、共有しましょう。

この条件の不一致が、オファー可否に大きく影響を与えます。

最後の「要員が面接で、自身の強み(案件に対して活躍できる点)を伝えられる状態にする。」に関して、場合によっては、事前の面接練習等をする必要があるかもしれません。

直接の練習ではなくとも、電話であったり、ビデオ会議で練習しましょう。

人材紹介業では当たり前に行っている面接練習を、SESでは行わないというのは単なる怠慢でしかありません。

面接数

面接を行えるかどうかの要因は・・・

  • 紹介文(推薦文)が案件にマッチしているか
  • 求人の募集背景を理解し、その理想像に近い要因を提案できているか
  • 人事との関係値

要員と会わずに、書類だけで不合格と判断させないグリップをクライアント企業と作っておく必要があります。

書類の通過率においては、他のSES営業と大きく差をつけることができる一番のポイントです。

本当にできるSES営業になると、書類審査はSES営業で行い、すべての紹介要員をいきなり面接に通すと言うこともよくあります。

また、紹介文においては、現場組織を知っている人であれば、「上長となるOOさんの部下としては適任である。理由は~」のように、人事観点での紹介文を作成することもできます。

応募意思確認

この項目は・・・

  • 要員への返信/提案スピード
  • 要員のキャリアプラン提案
  • 要員の案件獲得意向(緊急度、重要度など)

が影響します。

新人のSES営業に課しているミッションとして、「新しい要員情報が上がってきたら、10分以内に返信または、取り急ぎの案件紹介をする。」という会社を見たことがあります。

その会社は未経験営業の育成に強みをもっていた小さな会社でしたが、今ではSES業界WEB領域では多くの人が知っている企業になっています。

紹介要員数

紹介要員数は、「紹介できる要員の数。要員のスキルシートのうち、紹介できる要件を満たしているスキルシートの数」です。

この数字を最大化するにはどうすればよいのでしょうか?

まずは紹介要員数がどのように増えていくのか構造を考えてみましょう。

数字を考えるときは、構造を捉える事からはじめましょう。

上記は要員紹介数を考える上での構造ですが、あくまで一例です。

(状況によってこの構造の考え方を変えることで、新たな発見をすることもあります。構造を考えるときに重要なのは、「自身の力で変更できる数字を構造に組み込む」ことが重要です。)

上記の構造で考えると、要員の獲得先がいくつ必要なのか、どこにどれだけパワーを使う必要があるのか見えてきます。

こういった構造を考えた後に、各数字を引き上げる具体的な方法を考えます。

例えば「BP数」を1獲得するために、BP面談を2社と行う。そのためにテレアポを10件する。のような考え方です。

ここで構造化した数字はKPIとして前回紹介しませんでしたが、

これらの数字も立派なKPIです。

こちらも参考にしてください。

前回のKPIに入れなかった理由は・・・

  • 構造が営業一人ひとりによって大きく異なる
  • 外部環境や会社状況等によって変更することが頻繁にある

からです。

また、今回の構造にした数字は、SES企業の経営者が追うKPIではなく、そのKPIを達成するために、SES営業一人ひとりが自身で考えることが当たり前なので記載しませんでした。

KPI管理をすると転職市場での価値が上がる

転職市場では、営業として求めるスキルがいくつかあります。

そのうちの一つがKPI管理です。

正直申しますと、KPI管理のできない営業は転職できません。

KPIがないと、感覚で仕事をすることになり、面接でアピールできることがないからです。

また、このKPIさえ追求していれば、営業個人としてのスキルの高さは評価してもらえます。

この「KPIの追求」というのは、毎日KPIの分析をし、その改善のためになにをすべきか考えて実行する。ということです。「PDCAを回す」ともいいます。

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