ドア・イン・ザ・フェイスとは?SES営業での使い方。

営業テクニック

営業テクニックでドア・イン・ザ・フェイスという言葉を聞いたことはありますか?

なにかのお願いごとをするときや、相手にYESと言わせたいときに、成功の可能性を上げる心理テクニックがあります。俗にドア・イン・ザ・フェイスと呼ばれるものです。

ドア・イン・ザ・フェイスは、最終的な要求を通すために、最初に過大な要求を通す交渉術のことです。

詳しく見ていきましょう。

ドア・イン・ザ・フェイスとはそもそも何だろう?

英語からドア・イン・ザ・フェイスの意味を考えよう

ドア・イン・ザ・フェイスは英語で、door in the faceと書きます。

「ドアの中の顔」という意味になってしまいますが、この訳は誤りです。

これは「the door in the face of~」の略ですので、「~の目前のドア」という意味になります。ここでは、「最終的に落としたい目標に近いところのドア」を示しています。

「最終的に落としたい目標のドア」と言っていますが、最終的に落としたい目標のより過大なドアを相手に示すということになります。

ドア・イン・ザ・フェイスはなぜ交渉術といえるのか

ドア・イン・ザ・フェイスは心理学に基づいている

まず、交渉術というのは基本的に心理学をベースとしています。なので交渉術には人間の心理をベースにするものが多いんですね。

人間の特性として、借りができるとお返しをしたくなるという性質があります。これを「返報性の心理」と言います。

人に何かしてもらって、「そのお返しをしたい、しないといけない気がする」というのはあなたも見に覚えがあるのではないでしょうか?

ドア・イン・ザ・フェイスは実はこの返報性の心理の応用です。

ドア・イン・ザ・フェイスでは「お返し」をもらうために「過大要求の譲歩」をします

最初は100の要求だったものが、70の要求になると、相手は30譲歩をしたことになりますね。このとき、譲歩した30は、相手に譲ってあげたものとして、相手の心理に残ります。(残るというよりも、残すようにあくまで譲歩であるという見せ方をします。)

この譲歩30に対して返報性を発揮させることで70の成果を得るわけです。

何かを提供していなくても「貸し」になる

上記の「譲歩」をしたときに重要なのは、「譲歩」ではこちらは何も失っていないということです。

本来は交渉ではベースの議論があり、そこからどうずらすかという話になる場合がほとんどです。ベースを作るにはこれまでの関係値が重要になってきますよね?ですがフット・イン・ザ・ドアでは「過大な要求」をしているだけです。それだけで「過大な要求」がベースになってしまうのです。

ドア・イン・ザ・フェイスの実例。SESではどう使う?

ドア・イン・ザ・フェイス使用の基本

ドア・イン・ザ・フェイスは以下の手順で行います。

  1. 最終的に得たい要求よりも過大な要求を相手に求める
  2. 最初の要求よりも低めの要求 (=最終的に得たい要求) を相手にする。

このとき、以下の注意が必要です。

  • 過大要求と得たい要求には関連性が必要
  • 相手に気づかれない(同じ相手に何度も使わない)

では、この基本を意識しつつ実例を見ていきましょう。

名刺交換の機会をいただく

突然恐れ入ります。近くでアポイントがありまして、飛び込み営業をさせて頂いております。

30分ほどで良いのでご挨拶の機会をいただけないでしょうか?

すみません今時間がトレないんです。アポイントをとっていただいてからのご面談でも良いでしょうか?

わかりました。では資料をお渡しするだけでも良いので5分ほどお時間いただけないでしょうか?

最初に30分という要求をしておいて、最終的に5分というところに落とし所を持ってきています。

もしあなたが伊那路状況になったら、5分ならいいかなという気持ちになりませんか?

クロージングにおけるドア・イン・ザ・フェイス

先程はご面談の機会を頂きありがとうございました。

面談の評価は良かったようですが、ご契約はどうしますか?

初回3ヶ月契約、単月80万円で契約できます。

うーん、今すぐには決めれないですね。持ち帰り検討にさせて頂いてもよいでしょうか?

今決めていただけるのであれば、初回1ヶ月、単月78万円で契約できそうですがどうしますか?

譲歩する項目を2つにふやしたパターンです。契約期間と単月単価を譲歩していますね。

ただし、上記のような交渉はクライアントの悩みポイントが契約期間と単価以外には基本的に存在しないというところまで持っていってから使いましょう。

ドア・イン・ザ・フェイスの対義語は?

ドア・イン・ザ・フェイスの対義語

ドア・イン・ザ・フェイスの対義語にはフット・イン・ザ・ドアという交渉術があります。

これはドア・イン・ザ・フェイスの逆で、最初は簡単な要求を提示し、徐々に高い要求を提示していく交渉術です。

「要求を受け入れる」ということに相手を慣らせて行くというやりかたですね。

まとめ

交渉術は相手の心理をコントロールすることで相手の意思決定もコントロールします。

ただし使い所には注意が必要です。

  • ドア・イン・ザ・フェイスは最初の提案を断らせ、次の提案を断りづらくすること
  • 交渉術を使っていると気づかれたら逆効果
  • SES営業におけるドア・イン・ザ・フェイスの使い方

上記を今回はまとめてみました。

反響あれば交渉術についてのコンテンツをふやしていきます。

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